売るとき、契約書(案)の事前検討

ec31644def198d47dd24b7cdc2ce5d65_s本来、契約書は売主と買主が共同して作成するものです。しかし、情報の非対称性(売主の方が商品知識が高い)や取引に係るパワーバランス(売主の意向が条件として優先されがちになる)などの理由から売主が作成し、買主がそれを承諾するという形をとります。勿論、契約内容について疑義があるときは双方で契約前に話し合います。ただしこれまた不動産の取引においては少し違っているのです。

不動産取引においては、その取引内容を法令や判例等に沿って”適法”に作成することは極めて困難です。そこで専門的な知識と経験を擁する宅地建物取引業者が免許業者としてお手伝いするのです。宅建業法では、宅建業者に対してて35条書面を先として37条書面の交付を義務付けています。35条書面は、重要事項説明書です。別途にお話しします。先に37条書面の話をします。その内容は契約するのに最低限必要とおぼしきものになっています。その他に必要な事項は、宅建業者が調査して盛り込むことになっています。宅建業者が仲介して不動産取引をした場合は、宅建業者が当然のように契約書を作成していますがこれはあくまでも37条書面です。

お手元に不動産売買契約書があれば確認して頂きたいのですが、”この書面は宅建業法第37条書面を兼ねています。”というような文言がどこかに挿入されているでしょう。これは売主・買主双方(契約書作成義務者)から準委任を受けた宅建業者が作成した契約書(案)を、改めて売主・買主双方が”契約書”足ることを認める(契約に応じる。)ことで契約書書式書面として有効になると解されるようです。従って、契約前に交付する35条書面(重要事項説明書)に契約書のことを「契約書(案)」と記載しないと行政庁からこっぴどく叱られるものです。

手付金、違約金等については、買うときの契約書(案)の事前検討でお話ししました。実は、契約書については、逐次解説のほかによい方法を思いつきません。また多くの宅建業者が、独自様式を使用したり、協会などの統一様式に手を加えるなどの様々な方法を用いて作成するため、ブログなどで確定的に説明することは極めて困難になります。もし今現在疑問に思っていたり、過去のものでもいまいち納得がいかない部分があるようでしたらお問い合せください。一番多いケースは、”法文の話し言葉読み”のようです。普段の話し言葉と法文文言は、そこそこ違います。また”特約は一般条項より踰越する。”などの法の癖も重要です。

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