物件告知書・設備告知書

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物件告知書・設備告知書の重要性は、前出の媒介契約のところでも触れました。改めて取り上げるのは、それほどに必要であるということです。どうかご理解いただきたいのは、中古物件なのだから多少の劣化は、買主とて目をつむってくれるだろうという思いは、通用しなくなっているということです。大切なのは、現状を洗いざらい”告知”して、そのことを納得済の取引価格であることを契約書に明記することです。

ところが・・・もうすぐ「民法-債権法改正」が控えています。大まかに言えば不動産業界にとって大きな変化とまでは言えないものの、おおむね改正というものは消費者(買主)有利の方向に変化するものです。改正された法に対する”解釈”がどのようになされるか、つまり判例、判決、合意などがどのように形成されるかはまだ何とも言えません。

「売主の瑕疵担保責任」という言葉は、削除されるようです。変わって「契約不適合責任」が新設されます。”契約の趣旨に適合しているかどうかを問います。”  ”不足する数量や品質は補修してもらいます。” ”代金を減額する場合もあります。”などを買主は主張できます。
またこれまでは「瑕疵担保責任を負わない」特約は、有効でした。ただ今後は、「契約不適合責任を負わない」特約はまるでちゃぶ台返しのような特約なので単純に有効とすることはできないでしょう。時限を設けるなり、一部分の責任を負わないなどの条項にすべきではないでしょうか。

誤解を恐れずに言うと、今後の契約関係で問われるのは、「認識の相違」があれば、契約後であっても精算しましょう、というもののようです。何とも情けない、自己責任は一体どこにあるのかますます分からなくなることでしょう。もちろんこれは不動産取引に関することばかりではありません。”おいしくなかったから代金を減額してください。”という飲食店のお客なんてものが出てくるかもしれませんね。

このように今後の不動産取引では、物件・設備の告知が重要です。また物件の様子、つまり周辺状況や事件事故などについても、知りうる立場にある者は、告知をしなければ何がしかの請求を受けることになるのです。告知書類が今後はますます重要になることがご理解いただけたでしょうか。

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