購入申込書・媒介契約書

140999まだ間に合う?

買主にとって、”契約”に至るまでの間であれば回避できるトラブルは多いものです。ここでの最頻出のトラブルは「申込証拠金の不返還」でしょう。申込証拠金は、通常、購入申込書に添えて支払います。契約成立時には「手付金」に充当されることが殆どです。管理人なども感じることですが、購入の”申し込み”から”契約”に至るまでの間がどれぐらいが適当なのか、悩ましいところです。

一般的には1週間から10日間、あるいは休日などを考慮して2週間ほどを準備します。最近の銀行の仮審査は大変早くなりました。問題は、”家族の同意”を取り付けているかどうかであることが多いようです。どのような場面でも「前言撤回」は格好がいいものではありません。

不動産購入申込書

不動産購入申込書は、契約に先立って、購入の意思を売主に伝える書面です。法的には、大変特別な存在になっています。一般的に、特定の品を指定して購入の意思を示したのだから、”予約”に見えます。実は、民法上は”予約”は取り消せません。しかし不動産に限っては、”契約を書面”で交わすまでは、たとえ「購入申込書」を差し入れていても、原則としていつでも取り消せると解されているようです。従って、購入申込書とともに差し入れた”申込証拠金(手付金でない)”なども当然に返還されるべき金員とされています。
ただだからと言って、簡単な気持ちでそのような書面を差し入れるのは控えましょう。なぜなら、その書面をもって売主と仲介業者は”広告”をやめます。いわゆる”売り止め”または”物件押さえ”です。この広告できない期間が長引けば、仲介業者は買主探索ができないし、同時に売主は別の買主を紹介される機会を奪われます。つまり買うつもりだった買主が経済用語でいうところの「機会費用(別のことをしていたら得られていただろう利益)」の損失を売主に与えることになります。ただこれは、その期間が短ければ請求しにくいものではあります。「期待利益の損失」も主張しにくいでしょう。しかしそもそも、”不誠実”な態度は取引において、最終的には”損”になることを私たちは経験上、よく知っているものです。
対応策としては、不動産購入申込書そのものの適度な有効期限設定と、申込証拠金が返還されるときの事務手数料などの条件を明確に合意し、書面にすることがトラブルを回避する方法の一つです。

146050不動産購入時の媒介契約書

宅建業者に仲介を依頼するときは、媒介契約書は売主・買主問わず必ず締結するものです。法的な細かいところは、くらしスエヨシの不動産取引のページにあるような業界団体等のホームページに譲るとして、実質的なメリット・デメリットを考えてみます。

 

買主のメリット
  1.  宅建業法などに守られる権利を得ることになる。
  2.  住宅ローンを組む際に必要になることが多い「売買契約書・重要事項説明書」を入手できる。
  3.  仲介業者のサポートを得ることができる。
買主のデメリット
  1.  買主は、ほかの仲介業者と話がしづらい。
  2.  買主は、仲介手数料を支払うことを書面で契約することになる。

メリットについては、「3.」が重要です。実のところサポートといっても”仲介”については、宅建業法に則って行うしかありません。それ以外に仲介業者がどれだけ器用であるのかがポイントです。費用は別途になることもありますが、そのような視点で仲介業者を選定するのも一つの方法ではないでしょうか。

デメッリトについては、「a.」の回避策として、媒介契約の対象物件を限定することを推奨します。対象物件を限定できないときは、①買主は他の仲介業者にも依頼できること、②仲介業者は物件を紹介できなかったときは一切の請求ができないことなどを盛り込んだ契約にすることです。最低でも買主にとって”国土交通省の標準約款”よりも不利な条項が無い契約書であることは、いうまでもありません。

最後になりますが、不動産に関する事項は、大変場合分けが多いものです。なかなか伝えられていないこともたくさんあります。何かお気づきやご質問があれば、お気軽にお問い合せ下さい。

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