売るとき、決済・物件引渡し

74ebcd21588946be3aef69b273cf45bc_s売主にとって決済は、必要な書類等はあるものの、事前に準備してしまえば、あとは待つだけといったところです。このころにはきっと、税金関係のことが頭をよぎっていることでしょう。管理人は、税務署に行って尋ねるのが最上であると思っています。確定申告もしたことが無いのに、ひどく怖がっている方をたまに見かけます。大丈夫です。税務署は、庶民の味方です。

ここでは、「危険負担」の話をしておきましょう。原則的に契約成立時点で危険負担は、買主に移ります。他に論点が無ければ、売主の手元になお残っていた物が消失したとしても、買主は引渡しを受けることなく代金を支払わなければなりません。しかし例えば、その売主が他の同等の商品があってかつ売り先が決まっていない在庫があるときに、「その買主の分だけが消失したのです。」といったような主張は通りません(非特定物の例外)。あるいは、売主には外形標準的に見て保管義務があるだろうときに明らかに怠っていた(債権者の帰責性の例外)、又は停止条件付双務契約であり、債務者を責めることができない事由であった(契約有効性の例外)、このような場合は、危険負担は原則的に売主が負います。原則的にというのは、判例・判決まで鑑みればということです。現実の取引では、特約をもって危険負担の移転時期を引渡し時点と約します。

結論としては、売主は住まなくなったとしても決済・引渡しまでは”火災保険”を掛けつづける必要があります。実は今度の民法改正で、この部分も実態に合わせて改正されます。改正法では、”危険負担制度”そのものが廃止され、引き渡せなかった場合は売主の”債務不履行”になるようです。一部の大規模輸送を伴う商品群の売買などを除き、混乱は少ないだろうと思われます。

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