相続財産とFP
このところ”相続ビジネス”花盛りといった風潮が見受けられます。人口統計的にまた社会や法制度の複雑化に伴って、”相続ビジネス”は、進化してまいりました。最初は、法定相続分がいくらだとか、相続放棄はいつまでにというレベルであったものが、今ではエンディングノートの作成から遺言書の残し方まであらゆる教本が発売されています。
相続といえば”相続税”が重要なので、税理士さんにお任せで相談していたのは過去のことです。
今では、税金は税理士、登記手続は司法書士、遺産分割協議は弁護士を交えてなど相続人側もかなりシビアになってきました。
現実の相続手続きで、専門家に移譲しにくい部分が年金手続き、銀行口座の名義変更、保険の請求などでしょうか。どれもFPの得意とするところです。
しかし諸般の理由で、年金手続きは社会保険労務士、その他銀行や保険会社の手続きは直系卑属のうちで事務作業に明るい人にやってもらう方がスムーズです。FPがその助成をすることもできますが、各種の業法の制限があり、労務に見合った報酬を頂けないため現実にはあまり行われてはいないようです。それではFPの仕事はどこにあるのでしょうか。
もしかすると一番大事な部分!つまり相続財産の評価であると管理人は思っています。税務上の評価は税理士さんが行います。評価額は、相続時の時価です。FPは、相続時の時価に加えて将来のCF(キャッシュフロー)やだれがどのように遺産を受け取ることが最も効率が良いかなどをアドバイスできます。更にその後の貯蓄、投資、利用の方法から故人(被相続人)の思いの実現までサポートできることでしょう。
事業承継とFP
相続と同じくらい後回しにされがちで、後悔したり、時には倒産の憂き目にあったりするのが事業承継です。おおむね弁護士さんと税理士さんが話を進めてくれます。経営コンサルタントも大変力強い味方です。ここでも足りない視点が残されています。
事業承継については、どうしても会社の存続という部分に注力します。しかし日本ではほとんどの企業活動は、企業経営者の生活そのものだというものです。経営者は、全身全霊をかけて事業を推進していきます。事業承継と個人レベルの相続のバランスを著しく欠いていることが多いものです。事前にできることとは、税金対策ばかりではありません。広い視野で判断できるFPの出番なのです。
ちなみに管理人は、多少なりとも財務諸表など読めるものですから、定量分析(自己資本比率、固定比率、流動比率算出など)を行えます。また得意な事業分野であれば、定性分析や営業支援なども行えます。「専業の経営コンサルタントに相談するには、いささか敷居が高いかな?」などとお思いのところであれば、手始めにFPを利用してみてください。専業の方々よりは、お手頃価格でしょうか?お問い合せください。