貸し出す前に考えること

131829大家業は大変!

賃貸事業は、需給関係を考慮しなければならない件は、「貸すとき」に記載したところです。ここでは実務上、貸し出す前に何に注意すればよいか考えてみましょう。契約関係、リフォーム、管理関係に分けて話を進めていきます。実際のところ、税務が発生したり、入出金管理が発生したりして、大家業は簡単なものではありません。仲介業者に相談せずに簡単な契約書で入居(引渡し)させる例は、家族間でもない限り大変危険な行為です。

契約関係

契約の方式には、大きく2つあります。普通借家と定期借家です。普通借家は、皆さんのイメージ通りのものです。ここでの解説も省略します。定期借家は、比較的新しい契約方式です。一言でいうと”期間満了にて確実に終了する契約”です。当たり前といえば当たり前の契約方式です。しかし件の”普通借家”については借地借家法に強行規定をたくさん用いているため、”貸主からの解約困難借家”であることは周知の事実です。管理人は強く”定期借家”を推奨します。ただ契約終了において、借主の事情も処々あるでしょうから、契約するときに様々な工夫が必要になります。これについては、宅建業者の中でも取り組んでいるところがそう多くはありませんから、お気軽に管理人などへお問い合せください。

119912リフォーム

リフォームもまたどこまでするのが良いものか悩ましいですね。ほとんどの契約書に軽微な修繕等は借主の責任と費用で行うとなっているものです。修繕等には、畳の表替えや襖の張替えが例示されています。よく誤解されているのですが、畳の表替え等は、入居前に大家さんがするものだと思い込んでいます。でもこれは、実はサービスなんですね。また借主が退去するときに、畳の表替え等の費用を敷金から差し引くことが貸主の当然の権利だと思っている向きがあります。これも誤解でダメなんです。典型的な”経年劣化、自然損耗”ですから判例等により”当然の貸主の権利”として収受することはできません。契約時、できれば契約以前に”特約”しておくことが求められます。
このようにリフォームをどこまでするのか、いつするのかは、契約の内容によります。よくある話で、管理人が思う典型的な2度手間の例として、借主退去後で新しい借主を探索するために広告用にピカピカに室内クリーニングをするものです。この時点でのクリーニングは写真写りと内覧時の印象をそこそこにできればよいものです。日が照りつけない壁紙やフローリングのハードワックスなどは、時間がたっても見劣りしないものですが、畳の表替えなどは早々に行うものではないと思われます。ただし、大学近辺などのように高回転率のところは急いでやらないと間に合いません。

管理関係

契約後は、何がしかの理由で再契約をしない限りは、すべて賃貸関係は管理関係に相当するようになります。業者は同じであっても宅建業でなく不動産管理業に変遷しています。主に、契約管理(入金、契約更新など)、現場管理(メーター管理、清掃管理など)、建物設備管理(故障対応、点検など)があります。忘れがちなのが解約管理業務です。過去においては、仲介業者が無償対応していた例が殆どでしたが、今後は有償の対応になることは間違いありません。借主が自ら管理業務を行うことは、素晴らしいことです。ただし、あくまでも”事業”です。何かの片手間にできることではありません。相当な覚悟を持って取り組んでください。若しくは、管理の委託先をご検討ください。

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