不動産を貸すとき

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長崎の賃貸市場

2015年度は、日本の住宅事情の一大転換期です。人口はすでに減少傾向ですが、住宅戸数に直結する”世帯数”が減少トレンドを示すことが予期されています。つまり実需が縮小します。住宅供給は本来、スクラップ・アンド・ビルドの周期を加味したところで、いささか供給過剰気味の傾向を示すものです。現状では、マンション供給にその傾向が見受けられます。その一方で、戸建て住戸の需要が大きく減少するわけでもありません。

現存する住戸は、その多くが高度成長期以降に建築されたものです。そういうと古くて使い物にならないような感じがしますが、例えば木造住宅の場合、屋根をふき替え、外装を張り直し、柱と筋かいの打ち直し補強、水回りのリフォームなどを計画的に行えば築50年といっても十分居住可能です。できれば耐震補強を施したいところです。マンションの場合は、躯体の管理が共同であるため外見こそ古びていても、内装をリフォームすると居住空間としては、十分に機能します。

このような中古住宅の需要と新築住宅の価格相場には、密接な関係があります。不動産の特徴である”不動性”のため人気のエリアにはすでに住戸が立ち並んでいるものです。そこで①中古住宅を購入しリフォームする、②土地付き新築戸建て住戸を取得する、③中古マンションを購入しリフォームする、④新築マンションを購入するという4つの選択肢は競合することになります。つまり学問的には価格が拮抗するものと考えられます。ただし、前提条件である”人気のエリア”では、建築可能な土地が少ないですから、土地価格が高止まりします。従って、②の価格が比して高いものになるでしょう。そこで「現地建替え」以外ではなかなか実現しにくくなるものです。③については、管理人の感想ですが、所有者が賃貸している傾向もあるように思います。

ここまで考察してくると結論が見えてきましたね。長崎に限らずのようですが、①のためリフォーム市場は景況です。②を実現するため郊外の比較的安価な土地に新築戸建て住戸が建ちます。③については分譲マンションの賃貸物件化が進みます。④の需要のため比較的狭い土地に多くの住戸を準備できるマンションが景況です。

それでは、どこにどのような「賃貸物件」を準備すればよいのでしょうか。そしてこの時の”ターゲット市場”はどのような方々なのでしょうか。冒頭に示した通り、需要全体は縮小します。「家主にとって不要なので貸した方が良い。」程度の理由もそれだけでは通用しません。賃貸の黄金条件である大学近辺の他に、大型病院・スーパーなど利便性の高い施設が存在するエリア、高校の近隣などの文教エリアなどエリア分析は欠かせません。また人口動態の観点から、高齢者向け住戸の供給にはまだ一定の需要が潜んでいるものと思われます。その他に、一人あたりで使用したい賃貸面積は上昇しています。つまりひとり暮らしでも、2DKくらい欲しいというものです。

最後に、大学近辺をターゲットエリアにでもしない限り、新規に賃貸不動産投資をする方は少ないものです。相続した実家、高度成長期に建築したアパートなどが市場の主流です。不動産は、動かせませんから、エリアに合った賃貸方法の選択が必要です。リフォーム・建築市場単価の上昇傾向も見逃せません。長崎の旧市街地の不動産を、どのようにしたら固定資産税等を賄い、維持管理できて、願わくば手元にCF(キャシュフロー)が残らないものかと思いあぐねているようでしたら、「くらしスエヨシ」へお問い合せ下さい。

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